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あおくてまあるい、わたしの星



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ある国に 無口で けちで ひとびとにいやなことばかりめいれいする きらわれもののおうさまがいました
おうさまはけらいたちにむかっていいました

「いいかおまえら よおくきけ
 町にいるすべてのおんがくかをつれてこい」

    けらいはたずねました

 「それはなんのためですか おうさま」

                 「うたげをひらくためだ」

                          おうさまはちいさなテラスからそらをみあげました

けらいたちは またおうさまのきまぐれだ とおもいながらも
いそいで町にいるおんがくかをすべて宮殿にあつめました
そしてかれらにおうさまはめいれいしました

「じゅんばんにおまえらのおんがくをきかせよ」

              「どんなのがいいでしょうか おうさま」

                             「なんでもいい さあきかせておくれ」

じゅんじゅんに おんがくかたちはじぶんたちのおんがくを披露しました
おうさまはワインを片手に めをつぶってききいっていました
おんがくかたちはたくさんいたので
そのおうさまだけのためのうたげは
三日間つづきました

「どうでしたか おうさま」

        「……だめだ」

             「ではとなり町からつれてきましょうか」

                           「いい ……わしがやる」

おうさまがするときいて けらいたいはひどくおどろきました
なぜなら いままでおうさまが楽器をひいたり うたをうたったりするところを
いちどもみたことがなかったからです
あの無口で いじのわるいおうさまがおんがくをするという
みんなかげでおおわらいしました

おうさまはけらいたちにめいれいしました

「町からうでのいい楽器職人をつれてこい」

         「なんの楽器の ですか」

                       「せかいにひとつだけの楽器だ」

                                 おうさまはフォークでサラダをむしゃむしゃたべた

また無茶なめいれいをだしたな おうさまめ とおもいながらも
けらいたちはめいれいどおり せかいにひとつだけの楽器がつくれる職人をさがしました
三日かけてやっと その職人は宮殿につれてこられました

「どんなものがよろしいですか おうさま」

           「ゆびをつかって音がだせるようなやつだ」

                    「わかりました やってみます」

いっかげつ にかげつ と 日はすぎていきました
けらいたちは職人を きのどくに とおもいました
そしてようやく半年して その楽器は完成しました

「どうですか おうさま」

         「これはいい ひきかたをおしえてくれ」

                            「かしこまりました おうさま」

そうしておうさまは そのアコーディオンににた楽器のひきかたをおそわりました
いちねんがたち おうさまは国じゅうのひとを宮殿に招待し うたげをひらきました

「あの無口でけちのおうさまがひくんだそうだ」

           「なんでも せかいにひとつだけの楽器らしいぞ」

                      「あのおうさま 楽器なんかひけるのか」

                          おうさまはそんな声などきにもとめませんでした

おうさまの演奏がはじまりました
おうさまの曲は じぶんで作詞し それにメロディーをおんがくかにつけてもらったものでした
歌詞はへたくそだし なにがいいたいのかさっぱりでしたし
いっしょうけんめいうたをうたいながら楽器をひいているため かおはひどくおそろしいものでした
しかし ひとびとはおうさまの悪口はいいませんでした
へただとも くちにしませんでした
それは 処罰がこわいからではありません

おんがくを愛するおうさまのきもちが 伝わってきたからです

それに いっしょうけんめいなにかをがんばるおうさまの姿を はじめてみたからです
はくしゅはいつまでもなりやまず おうさまはひたすらにっこりとわらうだけでした
そしていままでのことをすべてあやまりました
ひとびとはもちろん おうさまをゆるしてあげました

それが この国にふるくからつたわる
おうさまとひとびとを結びつけるうた 「おうさまのおんがく」にまつわるはなしです



***
短い詩にするつもりがなんか文になってしまったもの。
しかも小説でもないような……?
まぁ いいや←
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